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KIZUNA 〉2026 / 10 / 28
U-30界隈 写真のホンネ

episode.08‐1

【好きなものと写真編】それぞれの「好き」と「写真」

世間は「Z世代のSNS利用」「若者の平成ブーム」といった情報で溢れていますが、実際の20代はSNS離れが加速していたり、平成ブームが一部で賑わっていたりと、一般認識とは異なるかもしれません。そんな20代の実像に迫る本連載は、「20代のホンネ」を知り、理解を深めることを目的として企画されました。

好きなものを楽しむ中で、写真はどのように関わっているのでしょうか。自分で撮る、誰かが撮った写真を見る、会場やグッズを記録する、手元に集める。好きな対象が違えば、写真との関わり方も変わります。
今回は、カメラと写真を撮ることが好きな大澤さん、K-POPグループ「TWICE」が好きな伊藤さん、音楽と「パペットスンスン」が好きな齋藤さんに、それぞれの好きと写真の関係をうかがいました。好きになったきっかけや楽しみ方の変化、どのような写真を大切に感じるのか。U-30の3人による、三者三様の楽しみ方を紹介します。

PROFILE

大澤 桃葉さん(人物画像)

大澤 桃葉 さん

MOMOHA OSAWA

カメラのキタムラ 東京・渋谷店

高校生のとき、友人のフィルムカメラに触れたことをきっかけに、カメラと写真が好きに。学生時代には月に20本ほどフィルムで撮影していたことも。現在は人や風景を中心に撮っている。

伊藤 桜子さん(人物画像)

伊藤 桜子 さん

SAKURAKO ITO

ラボネットワーク 法人営業グループ

K-POPグループ「TWICE」が好きで、一番の推しはサナ。ライブへ足を運び、トレカやポスターなどを集めるほか、好きなビジュアルをメイクの参考にすることも。

齋藤 桜子さん(人物画像)

齋藤 桜子 さん

SAKURAKO SAITO

フォトクリエイト セルフフォト推進部

パペットスンスンと音楽が好き。仕事帰りにも一人でライブへ足を運び、K-POPからバンド、洋楽まで幅広く楽しんでいる。

みなさんの「好き」について、好きになったきっかけと、その後の楽しみ方の変化を教えてください。

大澤:カメラには小さいころから触れていました。高校生ぐらいのときに、友達が持っていたフィルムカメラを初めて触らせてもらってから、楽しさ、魅力を感じて好きになりました。
その後、カメラのキタムラの中古買取センターでアルバイトをして、カメラに触れる機会が増えました。フィルムカメラを自分で買い、月に20本ほど撮っていた時期もあります。一人暮らしを始めたころは、カメラを30台、40台ほど持っていましたが、社会人になってからは価格や保管場所の問題もあり、少し落ち着きました。

伊藤:TWICEを好きになったのは紅白歌合戦に、ミナ、サナ、モモの3人組のユニット「MISAMO」が出ていたことがきっかけです。「めっちゃかわいい」と思って、曲やバラエティーなどを見るようになりました。だんだん、メンバーの内面や歌、パフォーマンス、仕事やファンへの向き合い方にも惹かれ、気づいたらファンになっていました。
最初は動画やInstagramの写真を見るだけでしたが、そこからライブへ行き、会場でグッズを買うようになりました。今はトレカやポスター、会場でもらえる特典なども集めています。

齋藤:音楽は小学生のときに学校の事務員さんからCDをよく貸してもらい、K-POPを聴き始めたことがきっかけです。その後、周囲の人に好きな音楽を聞く中で、バンドや洋楽まで幅広く聴くようになりました。
地元の秋田にいたときは、CDを聴いたり、YouTubeを見たりするぐらいでした。大学進学で関東へ来てからは、ライブハウスや大きなホールへ足を運び、生で音を聴く楽しみ方が増えました。
スンスンは、社内でパソコンの背景にしている人を見て、「かわいいな」と思って調べたことがきっかけです。好きになってからはまだ半年ほどですが、いろいろなグッズを集めています。

それぞれの「好き」にまつわるものを持ってきてもらいましたが、どのようなものなのかを思い出と一緒に教えてください。

齋藤:sumikaというバンドのタオルと、スンスンのグッズを持ってきました。
タオルは、大学3年生ぐらいの春に、友達と夜行バスで大阪へライブを見に行ったときに購入したものです。旅行も込みという感じで、そのときは写真もたくさん撮りました。スンスンのグッズは、セブン‐イレブンのくじで当てたものです。

伊藤:TWICEのトレカやグッズを持ってきました。一番好きなのはサナちゃんですが、推しだけでなく、「この時のビジュアルが好き」という基準でも選んでいます。ほかのメンバーの写真も含めて、自分が特に気に入っているものを集めています。

大澤:中判カメラを持ってきました。ブローニーという大きめのフィルムを使って、1本で10枚撮れるカメラです。写りや描写がすごくきれいで、気に入って使っています。
大学生のときにアルバイトをして買いました。少し不具合があったので、本体を2万円ぐらいで買って、修理に2万円ぐらいかかりましたが、それでも安く買えたと思います。 

見るだけだったものを実際に体験したり、集めたり、グッズを増やしたりする中で「好き」も変化しているんですね。普段は、一人で楽しむことと、誰かと楽しむことのどちらが多いですか。

伊藤:どちらもあります。ライブはTWICEが好きな仲間と行くこともありますが、好きなビジュアルを見たり、メイクを参考にしたりするのは一人で楽しむことが多いです。

齋藤:私も両方ありますが、基本的には一人が多いです。ライブにも一人で行き、音楽に浸っています。フェスは友達と行きますが、「私はこっちを見てくる」「じゃあ、私はこっちに行くね」と、会場で別行動ができる友達と行くことが多いです。

大澤:学生のころは友達と写真を撮りに行っていましたが、社会人になってからは休みが合わず、一人で撮ることが増えました。

一人でじっくり楽しむ時間と、誰かと体験を共有する時間がある中で、写真はいつ、どのように登場するのでしょうか。

大澤:撮影しているときも楽しいんですけど、撮影したフィルムを現像して、スキャンしているときの方が楽しいです。「こんな感じで写っていたんだ」とか、「失敗していたかぁ」とか。出来上がりを初めて確認する時間に魅力を感じます。

齋藤:ライブでは、会場や持っていったタオルの写真を撮ります。どこかに載せるためではなく、自分の記録としてコレクションしています。

伊藤:私は推しが人なので、トレカやフォトカードを見たり、会場に等身大のパネルがあれば撮影したりします。
ライブ会場内はスマートフォンがNGなので、プロが撮った写真や公式グッズで楽しんでいます。イベントで撮影された写真がXに上がっていると、「今日のビジュアル、やばい」と思って見ます。ライブの前には、グッズやペンライト、会場に掲示されたポスターなどを撮ることもありますね。

 写真を自分で撮る、出来上がりを待つ、誰かが撮った写真を見る、グッズとして集める。写真の登場の仕方もそれぞれ違います。一方で、ライブのように撮影できない場面もあります。写真を撮れるときと撮れないときで、体験の楽しさは変わりますか。

齋藤:それほど変わりません。撮影禁止の会場では、「目に焼き付けておこう」と思って見ています。写真を撮らなかったこと自体を忘れるぐらい楽しいので、気持ちはあまり変わりません。楽しすぎて撮ることを忘れ、後から「あ、撮らなかったな」と思うこともありますが、後悔するなどはありません。

自分で撮った写真、誰かに撮ってもらった写真、プロが撮った公式写真など、撮影者も手に入れ方も異なります。そうした違いや、写りのよさによって、写真への感じ方や大切さは変わりますか。

齋藤:自分で撮ったものでも、誰かに撮ってもらったものでも、「これ、いいな」と思った写真には、そのときの思い出が残っています。撮影者が誰であっても好きな写真はずっと残しています。

伊藤:インターネット上には「かわいいな」と思える画像がたくさんあり、見て癒やされますが、トレカには、裏にサインやメッセージが入っていることがあります。「これをメンバーが書いたんだ」と思えたり、公式グッズであることにも付加価値があると思います。
一番好きなのはサナちゃんではありますが、「このビジュアルが好き」という基準で他のバンドやメンバーを見て、好きを広げています。

大澤:構図や光がきれいに入り、絵としてきれいに撮れていても、自分にとっての思い入れがそれほどない写真もあります。
一方で、家族や実家の犬を撮った写真は、多少ピントが甘かったり、構図が変だったりしても、見返すと思い出が溢れ出てきます。「写真を撮るために出かけて撮影した写真」と、「家族や友達と一緒にいるから撮った写真」では、撮る時の動機が違うのだと思います。

ここまで、自分で撮ったこと、写っているもの、そのときの体験、写真の手に入れ方など、写真を大切に感じるさまざまな理由が出てきました。その中で、あえて一番大きなものを挙げるとしたら、ご自身にとって、写真が大切になる決め手は何だと思いますか。

大澤:見返したときに思い出がよみがえることです。写真を見ると、そのときの出来事や感情を思い出し、大切な瞬間を何度でも振り返ることができます。家族や友人の写真は、撮ってから何年も経って見返すことも多く、時間が経つほど写真の大切さを実感します。

伊藤:好きなものを身近に感じられることです。私にとって写真は、思い出を残すためというより、推しや好きなものとのつながりを感じ、元気をもらえるお守りのような存在です。写真そのものを鑑賞したいというより、好きな存在をいつも近くに感じていたいという気持ちが大きいです。

齋藤:写真に結びついている思い出です。いつ、どこで、誰と、何をしていたときに、誰が撮ったのか。それを鮮明に思い出せる写真は、どのような写りでも消さずに大切にしています。撮影したときの記憶を引き出してくれることも、写真の良さの一つだと思います。




 

好きな対象も楽しみ方も異なる3人ですが、その好きのそばには、それぞれ違った形で写真がありました。
自分でカメラを操作して撮る。現像した写真の出来上がりを確かめる。自分では撮れない相手の写真を見て楽しむ。会場や持っていったグッズを撮り、その日の体験を残す、など。写真との関わり方は「撮る」だけではありませんでした。

また、写真の大切さは、写りのよさや撮影者だけで決まるものでもないようです。そのときの体験や感情、手に入れた過程が重なることで、写真はその人にとって特別なものになっていきます。

では、そうして大切になった写真は、その後の日常の中で、どのような存在になるのでしょうか。スマートフォンの画面で眺める、手元に置いて気持ちを支えてもらう、思い出を一冊にまとめる、大切な人へ贈る。後編では、3人が写真を「見返す・持つ・贈る」方法と、これから試してみたい新しい楽しみ方を伺います。

次回は「【U-30界隈 写真のホンネ】好きなものと写真編 後編」です。お楽しみに!

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