前回は、フィルムやチェキならではの手間や偶然性、1枚を大切にする感覚について伺いました。一方で、3人はデジタルの価値も同様に感じて、楽しんでいます。手軽なスマートフォンだけでなく、あえてデジタルカメラを使うことで、自分が納得できる写りや、その場の空気を残そうとしている姿も見えてきました。
後編では、アナログの魅力を知る3人が思うデジタルカメラの価値と「いい写真」の基準を探ります。
PROFILE
馬渕 ももこ さん
MOMOKO MABUCHI
しまうまプリント 事業本部 コマース部
入社3年目。ソニー VLOGCAM ZV-1Fを愛用中。友だちやお花、旅行先の景色を撮るのが好き。
林 杏璃 さん
ANRI HAYASHI
ラボネットワーク 販売促進部
入社2年目。両親から譲り受けたキヤノン IXY DIGITAL 25ISや、鮮やかな黄色のボディのコダック UitraF9を使って、撮影を楽しんでいる。
正村 巴奈 さん
HANA MASAMURA
カメラのキタムラ 新宿 北村写真機店
入社5年目。フィルムから一眼レフまで、幅広く所持し、場面に合わせて使用中。特に静物の撮影が好き。
デジカメの納得感
スマートフォンという手軽なカメラがある中で、あえてデジタルカメラを使うのはなぜでしょうか。
馬渕:デジカメは、とにかく画質がいいなと思っています。iPhoneは良くも悪くも、そのまま映りすぎる気がしているのと、実際よりも少し歪んで映ってしまうと感じているのですが、デジカメは歪みも少なく、画質も透明感のあってとても綺麗なので好きです。
林:わかります。解像度が高ければいいってわけでもないですよね。映りすぎちゃうと自分のイメージとズレちゃう(笑)。
馬渕:そうなんです。だから、この白いデジカメを選びました。美肌モードがあって、自動的に顔をきれいでなめらかに見せてくれるんです。ちょうどよくきれいに写るし、バリアングル液晶のおかげで自撮りもしやすい。映りがきれいなので、デジカメで写真を撮ると とっても喜んでもらえます!
スマホは便利で、すぐに撮れるのがいいところですが、自分が思う「かわいく残したい」と、スマホの写りが少しズレることもあります。その点、デジカメは細かいところまできれいに写りつつも、雑味がなくて、自分が納得できる写りになっているので、スマホだけではなくカメラを持っているのかもしれません。
正村:私もそう思います!携帯のカメラだと勝手に補正が入って、暗いところもきれいに見せてくれて便利なんですけど、そこに自分の意志を介入させる余地が少ないんですよね。

スマホとは違う、「自分が見た光」の残し方
なるほど。馬渕さんのご意見に共感されてましたが、正村さんは、どのようにデジカメを使われているのですか?
正村: 私は、スマホと同じように、デジカメも毎日持ち歩いています。デジカメは複数台持っているので毎日気分でその中から選んでいます。以前は一眼レフを使っていましたが、持ち歩きの観点から、コンパクトなものに変えました。
撮影は街中のスナップが多く、特に建物の輪郭を含めて構成したり、光と影のコントラストを見つけて撮ることが多いです。デジタルカメラは色のグラデーションの表現も細やかですし、影を影としてきれいに残せるところが好きです。
馬渕:影をきれいに残すの難しそうですね。確かにスマホだと勝手に全部明るくなる印象がありますね。
正村:そうなんです。スマホは暗いところも自動できれいにしてくれるのでとても便利ですが、私が撮りたいものは、光が当たっている部分と影になっている部分の差だったりするので、全部が明るく整ってしまうと少し違うなと思うことがあります。
私は特に編集をあまりしないので、そのままできれいに表現してくれるところがデジカメを使っている理由でもあります。人を撮ってもすごくよく映りますし!フィルムで培った光を見る目があれば、最新モデルの高いスペックを最大限に活用して、自分の好きな世界観を構築できる。デジタルにはデジタルのよさがあるんだなと感じますね。

私たちの「お気に入り」
お持ちいただいたお気に入りの写真を見せください!
林:2枚もってきました。まずは、シンガポールで食べたアイスの写真です。はっきり写っていないのが魅力だなあと思って持ってきました!フィルムカメラの魅力そのものみたいでお気に入りです。
もう一枚は、桜の写真。桜が落ちているところをズームで撮りました。メインの桜は小さいですが、オールドコンデジにしてはきれいに映っていると思いますし、季節の空気がきれいに撮れていると思います。


正村:フィルムのフラッシュ撮影、とっても上手ですね!私は、このスナップがお気に入りです。光と影のバランスが良く撮れたと思う1枚です。最初はあまりお気に入りではなかったのですが、ほめていただいたのもあって、お気に入り写真に変わりました(笑)あとは、空の写真。グラデーションがきれいに出ていて、空気感もしっかり表現できたと思います。


馬渕:私は熱海の喫茶店をチェキで撮影したこの写真ですね、喫茶店のレトロな雰囲気と相まってすごくかわいいので、お気に入りです。
2枚目は、お誕生日をお祝いしてもらった日の1枚です。今のカメラを買ってから初めてのお出かけで、印象に残っています。とても楽しい1日だったので、何度も見返したくなる大切な1枚です。


皆さんのお気に入りを拝見していると、大切な瞬間を自然な状態で残したいという共通の想いが伝わってきます。
撮った後も続く、写真の楽しさ
最後に、皆さんにとっていい写真とはどのようなものでしょうか。
馬渕:私は、「何回も見返したくなる写真」だと思います。遊んだ後の帰り道や、夜に一人で思い出に浸る時間が大好きなんです。
デジカメなら、WiFiで簡単にスマホに転送できるので、素敵な写真をその場で共有できるところが気に入っています。私はせっかちなので、このスピード感もデジタルの大切な恩恵だと思っています。
林:私は、「誰かに共有したくなる写真」です。フィルムで撮って友だちに送ったとき、「わあ、めっちゃいいじゃん」って言われるのがとっても嬉しい。
この魅力をみんなにも伝えたいから、フィルムカメラをプレゼントしたり、カメラの良さを話したりしています。私がカメラを持ち始めたら、みんなも買い始めたり、プレゼントで一回触れてもらうとほしくなって買ってくれたり。そうやって自分の周りにカメラの輪が広がっていくのが、私にとっての幸せです

3人の話から見えてきたのは、写真の価値は「きれいに撮れること」だけでは語れないということでした。
すぐに共有できること。あえて手間をかけること。思い通りにならない写りを楽しむこと。その一つひとつに、自分が納得できる形でその瞬間を残したいという思いがありました。
撮った写真は、見返すことで思い出になり、誰かに送ることで会話になり、ときには別の誰かがカメラを手に取るきっかけにもなる。写真は、シャッターを切った後も、静かに人とのつながりを広げていくのかもしれません。大切なのは、自分が納得できる形で、その瞬間を残せること。デジタルでも、フィルムでも、チェキでも。3人はそれぞれの感覚で、自分にとっての「いい写真」を選んでいました。
写真の楽しみ方は、これからもそれぞれの感覚に合わせて広がっていきそうです。
これでアナログ編はおしまいです。次回もお楽しみに!
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