KIZUNA 2026 / 04 / 22
U-30界隈 写真のホンネ

episode.06-1

【アナログ編】レトロな質感が私たちを惹きつけるわけ

世間は「Z世代のSNS利用」「若者の平成ブーム」といった情報で溢れていますが、実際の20代はSNS離れが加速していたり、平成ブームが一部で賑わっていたりと、一般認識とは異なるかもしれません。そんな20代の実像に迫る本連載は、「20代のホンネ」を知り、理解を深めることを目的として企画されました。

デジタルデバイスの性能は飛躍的に向上し、誰もが失敗しない写真を数千枚、数万枚と持ち歩けるようになりました。しかしその一方で、新宿 北村写真機店にはフィルムカメラを求め、絶えず若者たちが訪れています。なぜ効率を重視するはずのデジタルネイティブ世代が、なぜアナログの世界に惹きつけられているのでしょうか。
本日は、日々写真を楽しむ3人にお集まりいただきました。

PROFILE

馬渕 ももこさん(人物画像)

馬渕 ももこ さん

MOMOKO MABUCHI

しまうまプリント 事業本部 コマース部

入社3年目。ソニー VLOGCAM ZV-1Fを愛用中。友だちやお花、旅行先の景色を撮るのが好き。

林 杏璃さん(人物画像)

林 杏璃 さん

ANRI HAYASHI

ラボネットワーク 販売促進部

入社2年目。両親から譲り受けたキヤノン IXY DIGITAL 25ISや、鮮やかな黄色もボディのコダック UitraF9を使って、撮影を楽しんでいる。

正村 巴奈さん(人物画像)

正村 巴奈 さん

HANA MASAMURA

カメラのキタムラ 新宿 北村写真機店

入社5年目。フィルムから一眼レフまで、幅広く所持し、場面に合わせて使用中。特に静物の撮影が好き。

皆さんには、日ごろ使用しているカメラをご持参いただきましたが、お持ちいただいたカメラについて教えてください。

 カメラならでは、不自由の価値

馬渕さん: 持ってきたのは、フジフイルム instax mini Evo(以下ミニエボ)と、最近購入したソニー VLOGCAM ZV-1Fです。ミニエボはかわいいのですが、カメラのサイズが大きくて持ち運びが大変なので、小さめのVlogカメラを購入しました。色は白で、見た目も可愛くて気に入っています。

正村さん: 馬渕さんの白いVlogカメラ、コンパクトでいいですね! 私はフィルムカメラを2台と、デジタルカメラを1台持ってきました。フィルムカメラの一つは、コニカ 現場監督で、名前の通り、工事現場で使えるような頑丈な作りになっています。旅行や海に行くときに安心してガシガシ使えるので、重宝しています。

林さん: 現場監督、はじめてみましたが、かっこいいですね!私は両親から借りて使い始めた、見た目がレトロでかわいいキヤノン IXY DIGITAL 25ISと、鮮やかな黄色が特徴のコダック UitraF9、馬渕さんと同じミニエボを持ってきました。フィルムカメラは、撮れる写真もそうですが、見た目がすごく魅力的。お気に入りでミニエボで飼っている犬の写真などを撮ることもありますね。

では、どのようなときにカメラを手に取るのでしょうか?カメラで撮りたい写真はどんなものですか?

林:デジカメは持ち運びしやすいので、基本的には普段からずっと持ち歩いています。友人といるときに撮ることが多いですね。でも、フィルムカメラも使います。より思い出に残したいタイミングで使っていて、1枚1枚が大切なので普段使いというよりは海外旅行のような特別なときに使うことが多いです。この前もシンガポールへ持っていきました。フィルム特有の空気感で、大切な思い出を残したいなと思って。

正村:林さんの1枚を大切にするという感覚、すごくよくわかります!私もデジタルとフィルムを複数台持ち歩いて使い分けていますが、同じシーンを撮っても写り方が全く違うのが面白いですよね。
フィルムに関してはレトロな雰囲気をしっかり出してくれる魅力が、他のカメラでは代えがたいなと思います。アプリでも似たようなことはできますが、やはりそれでは表現しきれないものが本物にはあると感じています。
デジタルカメラとフィルムカメラで多少撮るものは変わりますが、基本的には街中のスナップを撮ることが多いです。

馬渕:在宅勤務が多いので普段はあまり外に出ないため、撮影するシチュエーションをお伝えするのが難しいのですが、可愛い友だちを撮るのが趣味なのと、お花が好きなので、今の季節は公園や出かけた先で咲いているお花を撮影したり、お花屋さんでお気に入りのお花を買って撮ったりもしています。旅行先では街並みやご飯、景色もたくさん撮ります。

スマホの方が手軽に撮れるし確認もできますが、あえて手間のかかる方を選ぶのはなぜでしょうか?

馬渕:私が持ってきたVlogカメラは、実はそんなに手間ではないんです。スマホと同じくらい手軽だと感じています。もちろんスマホの方がパッと撮りたいときに使うことは多いですが、Vlogカメラもシャッターのスピードが速いのでサクサク撮ることができます。
ただカメラはコンパクトな分、画面が小さいので、スマホに転送した後の方がその写真の良さを感じられると思います。Vlogカメラは撮った瞬間から見ることが出来る点はフィルムカメラと違いますが、スマホに転送や現像した後に楽しみがあるという部分は通じるものがあるかもしれません…

正村:私は、手間も魅力のひとつかなと思っています。スマホは撮った瞬間にすぐ振り返ることができますが、フィルムだと現像して、スキャンをお願いして....という工程が必ずセットになりますよね。しかも今はフィルムの価格も上がっていて、1本1,000円代後半から3,000円くらいします。平均するとワンショットあたり100円くらいかかる計算になるんです。

林:1回100円と思うと、シャッターを切る指が震えちゃいそうですね(笑)

正村:そうですよね!下手をすると、それ以上に高いフィルムもあります。でも、その重みがあるからこそ、撮影も慎重になったり、すごくお気に入りの瞬間が映っているとか、自分たちにとってすごく大事だと思えたものが映っているのではないかなと期待してしまいます。スマホよりもフィルムカメラの方が圧倒的に手間ですが、より「押さえたい瞬間」が納められている気がします。

チェキが繋ぐ「今」の空気

馬渕:チェキは、旅行やお出かけのときに撮ることが多いです。撮ってその場ですぐプレゼントできるのがよいと思います。同期でバーベキューしたときのチェキや、友だちと旅行に行ったときのチェキなど、思い出深いイベントをカタチにして残し、スマホの裏なんかに挟めるのも、いいところだと思います。

林:私もチェキでワンちゃんを撮って親にあげたりするんですけど、やっぱりプレゼントしやすいですよね。親も喜んでくれますし。写真はただのデータではなくて、誰かに届けるギフトなんだなって、皆さんの話を聞いて改めて思いました。

そのすべてが想い出

古いカメラの仕様や画質の粗さについては、不便に感じませんか。

林:あります。ズームすると少し荒くなったり。でも、それが逆に、かわいいんですよね。本当にそうなんです。少しガサガサしている感じというか。写すことそのものよりも、カメラを構えて撮ること自体に価値を感じているのかもしれません。撮ることが楽しいんですよね。

正村:林さんの言うガサガサ感は、古いカメラやフィルムの魅力そのものですよね。私も、思っていたのと違う色で出てきたりするのは、失敗ではなく楽しみなんです。次はもっとこうしてみようって試行錯誤できるのが嬉しい。スマホは完全に補正が入って、いわば失敗という概念があまりないからこそ、この不確実さが愛おしいのかもしれません。


今回は、カメラの質感や、撮りたいシチュエーション、フィルム・チェキの「味」についてうかがいました。お持ちいただいたカメラは最新のものちらほら。時代が巡るように、不自由さを一度通ったことで「やっぱり最新もいいな」と思える理由が見えてきたのではないでしょうか。後編では、彼女たちが確信を持って選ぶデジカメの魅力から、写真の魅力・楽しみ方まで、幅広くうかがいます。

「次回は【U-30界隈 写真のホンネ】描写編」です。お楽しみに!

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