KIZUNA 2026 / 07 / 29
KHDグループの仕事人たち

vol.15

米岡 鉄也

しまうまプリント 生産技術部 製品技術Gr

キタムラ・ホールディングス グループには、その道を究めた「プロフェッショナル」が数多く所属しています。カメラ・時計修理の名工からプリント&印刷のエキスパート、メガネ販売の専門家、商品企画、デザイナーまで。フォト&ライフ・カンパニーにおけるプロの仕事に迫る連載記事です。

本連載の15回目にご登場いただくのは、しまうまプリントで、写真やフォトブックなどを生産する機械の導入や管理を担当する米岡 鉄也さん。商品開発や生産ラインの構築に関わっており、商品を生み出す環境づくりを支えています。これまで数々の新商品の誕生に立ち会ってきた米岡さんは、どんな想いで仕事と向き合っているのか、インタビューに応じていただきました。

PROFILE

米岡 鉄也さん(人物画像)

米岡 鉄也 さん

TETSUYA YONEOKA

しまうまプリント 生産技術部 製品技術Gr

熊本県内の写真現像・プリントなどを取り扱う専門店に勤務後、ネットプリント業界へ転身。しまうまプリント入社後は、商品開発や生産ラインの構築などに携わる。

写真業界の新しい常識を作るために、
時代に合わせた生産方法を模索し続ける。

米岡さんのキャリアは、熊本県内にある町の写真屋さんからスタートした。店頭で写真プリントやフィルム現像などに関わる傍ら、当時から新商品の開発や導入に関わることも多かったとのこと。最も印象に残っている仕事は、デジタル印刷機をフォトブック製造へ取り入れる取り組みだった。当時はまだ発展途上だったデジタル印刷技術を活用したフォトブックは、業界でも注目を集める存在となった。 

「現在のしまうまプリントにつながるフォトブック事業では、サービス開始当初からデジタル印刷機を採用しています。それは、『低価格・高品質・スピード納品』を実現させるためです。銀塩プリントのフォトブックが主流だった時代の中で、デジタル印刷機で作成されたフォトブックは、質の低下を懸念した反対の声も多かったです。そのため、デジタル印刷でフォトブックを作るという新しい生産方式を成立させるには、スピードとコストだけでなく、品質を両立させることが欠かせませんでした」

時には、海外の展示会に足を運ぶこともあったそうだ。中東に本社があるメーカーへ赴き、開発者と直接意見交換をすることもあるほど、米岡さんは情熱的に印刷機を探し求めた。その情熱は印刷機を探し当てることだけにとどまらなかった。

「私の仕事は、設備を導入するだけではありません。一番大切なのは、生産現場でその設備がより効率的に機能する仕組みを整えることです。品質や生産性、コストをすべてバランスよく実現させる仕組みを作るまでには非常に多くの時間がかかりましたが、今ではフォトブックの印刷にデジタル印刷を用いる手法が国内では主流になりました。写真業界のニューノーマルを創り出したことに、やりがいを感じました」

よりよいものづくりは、
業界や業種を超えたコミュニケーションから生まれる。

「生産技術と聞くと、図面を書いたり機械を触ったりする仕事を思い浮かべる方が大半だと思いますが、実は、いろんな人とコミュニケーションをとることが仕事の大半を占めています」

なぜ、米岡さんはそう感じているのか尋ねてみた。

「デジタル印刷機の導入に合わせて、材料である紙の調達にも苦労していて。状況を打破したのは、異なる業界の人たちとたくさんコミュニケーションを重ねたことでした。当時、まだほとんど知識がなかった私は、思うように商品開発を進めることができませんでした。藁にもすがる思いで、写真業界に限らず印刷業界や製本業界の人たちを訪ねるようにすると、紙の流通経路や入手方法など、少しずついろんなことを教えてもらうことができました」

ものづくりで大切なのは、できるだけたくさんの人の力を借りることだと教えてくれた。そのために必要となるのが、たくさんの人とのコミュニケーションだ。それは社外のパートナーに限らず、社内も同じだと米岡さんは言う。

「企画を担当する部署、シフトを管理する部署、経費を管理する部署。ものづくりには、たくさんの人の力が欠かせません。生産技術では、ものづくりがうまく進むような仕組みを整えることが大切なのです」

写真は銀塩写真だけじゃない。
新たな技術で写真文化をアップデートする。

そんな米岡さんに、今後挑戦していきたいことを訊いてみた。

「生産技術を通して、ニューノーマルを作ったその先で、写真文化をアップデートしたいと思っています。デジタル印刷の写真の価値をまずは正しく伝えることに挑戦していきたいです。長い間親しまれてきた銀塩写真とデジタル印刷の写真を比較したときに、銀塩写真より劣る部分に目が行きがちですが、デジタル印刷の写真にしかない良さもたくさんあります。例えば、ネオンカラーや原色などの発色は銀塩写真よりも鮮やかです。人間の記憶色は、実際の色よりも鮮やかであるという定説もある中で、色をより鮮やかに表現することに適しているデジタル印刷は、思い出をより記憶に近い状態で残す媒体として有利なようにも思えます」

写真業界に新たな印刷技術を導入することで、写真文化そのものをアップデートした米岡さんが見ているのは、過去でも今でもなく、少し先の未来なのかもしれない。

「過去の手法だけにとらわれず、新たな手法を普及させていくことを通して、しまうまプリントが写真文化を進化させていく会社になるよう、成長させていきたいです」

YONEOKA'S CHOICE

しまうまプラス

お気に入りの写真をグッズにして毎日持ち歩く。

昨今話題のアクリルグッズを、サイト上で簡単に作ることができる。スクエアやラウンド以外にも、被写体の形に合わせたグッズも制作可能だ。この制作機器は米岡さんが導入を担当。切断後の断面が美しいイタリア製の機械を導入したと笑顔で教えてくれた。

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