KIZUNA 2026 / 04 / 22
KHDグループの仕事人たち

vol.12

永野 伸次

キタムラ 執行役員 兼 商品部・サプライチェーン部 部長

キタムラ・ホールディングス グループには、その道を究めた「プロフェッショナル」が数多く所属しています。カメラ・時計修理の名工からプリント&印刷のエキスパート、メガネ販売の専門家、商品企画、デザイナーまで。フォト&ライフ・カンパニーにおけるプロの仕事に迫る連載記事です。

本連載の12回目にご登場いただくのは、カメラのキタムラで長年にわたって中古カメラを担当し、価格設定や相場調査に携わってきた永野さん。リユースを通じてカメラ市場と長年対峙してきた永野さんは、今までどのようにしてカメラや写真に関わり、どんな未来を描いているのか――語っていただきました。

PROFILE

永野 伸次さん(人物画像)

永野 伸次 さん

SHINJI NAGANO

株式会社キタムラに入社後、カメラのキタムラ福岡/原店に配属。その後、複数の店舗での勤務を経験したのちに2008年にバイヤーに抜擢。中古カメラの相場考察や中古時計をはじめとする買取品目拡大にも尽力。現在は商品部とサプライチェーン部の部長を兼務。

写真を撮ることの面白さを伝えたい。
いろんな機材との出会いを通して。

キタムラに入社してから、カメラの魅力の虜になった永野さん。これまでで一番印象に残っているカメラを尋ねると、少し考えて「コンタックス RTS III」と答えてくれた。ずっしりとした重量感が特徴的な往年のハイエンド機で、その印象的なシャッター音は今でもカメラ好きを魅了してやまない。マニアックでありつつも、ミラーアップ機能の搭載やシャッターボタンの軽快な押し心地など、写真を撮る楽しみを感じさせてくれるギミックが多数施されたカメラを挙げてくれたところから、永野さんがいかに写真やカメラを愛してきたかが伝わってくる。

「初めてカメラを売った日のことは今でも覚えています。初めて売ったのはオリンパスミューでした。当時は販売したカメラにフィルムを装填してお客さまにお渡ししていたため、緊張してフィルムに汗を垂らさないようにと思えば思うほど、余計に緊張してしまいました」

店頭でカメラ販売に携わる中で、関わるお客さまにたくさんカメラのことを教えてもらったと語ってくれた。お客さまに勧められて地域のカメラクラブに所属しながら、作品制作活動にも熱心に取り組み、時には一緒に撮影に出かけることもあったと言う。

中古カメラの価値が世間に認められる瞬間に立ち会い、
手ごたえを感じた

永野さんが、中古カメラに携わり続けてきた理由は何だったのだろうか。

「店頭にいたときから、中古カメラの販売には苦労することが多かったです。新品カメラに比べて、状態について丁寧な説明が必要であり、買取なくして成り立たないものだったからです。しかしながら、その苦労の何倍も中古カメラに可能性を感じていました。買取で持ち込まれた見たこともないようなカメラに出会ったときの高揚感は今でも忘れられません。その可能性こそ、私が中古カメラに携わり続けてきた理由です」

店頭にいたときから中古カメラへの熱意は人一倍だった永野さんは、当時の本部に「中古カメラに詳しい人材を会社にもっと増やしていきたい」と、直接話をしたこともあったそうだ。その熱意を買われて、翌月には中古カメラバイヤーに抜擢された。バイヤーとして、世に流通する中古カメラの価格設定やその条件について決定し、全店のカメラ買取や中古カメラ販売に貢献し続けてきた。

「フィルムカメラブームの到来や、リユース品への関心が高まっていく中で、市場全体を見ていても、中古カメラの価値が世間に認められてきたことは一目瞭然でした。そんな時代の転換期に中古カメラビジネスに携われたことに手ごたえを感じました。世間もきっと、個性豊かなカメラと出会い、それを手にして、いろいろな写真撮影を体験することを望んでいると実感できたからです」

「カメラで写真を残したい」と思う機会を提供できる会社へ

そんな永野さんに、写真・カメラ業界で挑戦していきたいことを訊いてみた。

「技術の発展でカメラの機能もあらゆるものが登場しましたが、私たちがカメラ専門店としてすべきことは、あらゆる機材のスペックの先にある『カメラで撮ることの楽しさ』をお客さまに提案していくことだと考えています。これまでは、新品・中古問わずにいろいろな種類の機材を取りそろえて、魅力的な機材との出会いをよりたくさん作っていくことが、その提案のひとつでした。今後は機材の品揃えを超えて、プリント領域やSPA商品の企画とかけ合わせながら、『カメラで写真を撮ることの楽しさ』を体感してもらえる提案をしていきたいです」

永野さんは、現在全国で活動が始まったカメラのキタムラ写真部に期待しているとのこと。「店舗のスタッフ自身が写真を好きになり、楽しみ、その実体験を通じてお客さまへ写真の魅力を伝える」という趣旨は、時にはお客さまと撮影に出かけたりしながら、今でも作品を撮り続けている永野さんならではの視点だ。

「カメラを使って写真を撮りたい、と思わせる企画を打ち出していきたいです。そうじゃないと、写真文化って未来につながらないと思うから」

NAGANO’S CHOICE

パナソニック ルミックスDC-GX7MK3+ ライカ DG ズミルックス15mmF1.7 ASPH.

気軽に街中スナップへ繰り出せる相棒

パナソニックが手掛けた非常にコンパクトな、永野さん所有のミラーレスカメラ。気軽に持ち出せる軽さで、撮る楽しさを感じさせてくれる一台。ライカレンズを比較的お手頃に楽しめるのも永野さん愛用ポイント。

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