KIZUNA 2026 / 08 / 26
KIZUNA NEWS

「杉本博司 絶滅写真」のトークイベントで、キタムラ岩田さんが銀塩写真の魅力を語る

カメラのキタムラと雑誌『Pen』共催で、「杉本博司 絶滅写真」スペシャルトークイベント『杉本博司作品と銀塩写真の魅力を語る』を、2026年7月31日(金)に東京国立近代美術館(館内講堂)で開催しました。
キュレーター 河内 タカ氏と、キタムラ イメージング部 岩田 俊介さんが登壇したトークイベントの様子を当日の動画と共にお届けします。

■「杉本博司 絶滅写真」
東京国立近代美術館で2026年6月16日(火)~9月13日(日)の期間に開催しており、現代美術作家 杉本 博司氏の写真作品で構成する美術館での個展は、国内では2005年の森美術館以来の開催となります。また、制作の秘密を明かす未公開資料「スギモトノート」のサテライト展示もされています。

一般参加者と関係者の計80名が参加し大盛況

キタムラとPenで一般の方から応募を募り、当選した60名の方を招待しました。
Pen編集長の石川 康太氏がファシリテーターとして、河内氏が杉本作品と初公開のスギモトノートを紐解き、岩田さんが銀塩(フィルム)写真の魅力を語りました。
新宿 北村写真機店で中古販売している大判カメラ「8×10(エイトバイテン)」を展示し、杉本氏が使用する「8×10」カメラがどのようなものなのか、現物をもとに解説しました。

作品の魅力や撮影秘話、「スギモトノート」を紐解く

トークイベント第一部では河内氏が、杉本氏の評価を確立することになった三部作〈ジオラマ〉〈劇場〉〈海景〉の魅力を解説しました。剥製などの動かないジオラマを生きているように見せる技術、映画一本分の時間を写真作品に収める技法、穏やかさを感じる海の景色の裏にある秘話など、ひとつの作品に詰まった杉本氏のこだわりや執念、圧倒的な技術力が語られました。
また、1970 年代初めより記録が始まった、写真作品制作における、撮影時および暗室での作業工程の覚書などを記したノート「スギモトノート」についても解説されました。

杉本作品について解説する河内タカ氏

岩田さんが語る 銀塩写真への情熱と愛着

第二部「銀塩写真を考える」で岩田さんが登壇し、杉本氏が撮影に使用するカメラ「8×10」とはどのようなカメラなのか、サイズ感やスペックを展示品と共に解説しました。また、銀塩写真やフィルムカメラが持つ魅力や可能性について、人間の行動特性と絡めて説明が為され、長年にわたり“撮影”に真剣に向き合ってきた岩田さんの視点で存分に語られました。銀塩写真の重要性だけでなく、写真というもの自体の素晴らしさを再認識できる講演をぜひ動画でご視聴ください。思わず笑ってしまうトーク展開にも注目です。

銀塩写真の魅力を語る岩田さん

参加者からのコメントを多数いただきました

<参加者・関係者のコメント>
「写真の持つ価値と、写真という文化を残していくことの大切さを改めて考える機会になりました」
「キタムラさんの写真に対する情熱を感じました」
「何度も杉本さんのこの展覧会に足を運んでいますが、また新たな見かたで楽しむことができそうです」
「河内さんの解説が興味深く、とても学びになった」
「岩田さんのトークが、笑いを交えてお話されていて楽しめました」

<カメラのキタムラ 店舗企画室 森田 翔汰さん>
「平成生まれの私は、フィルム写真を意識して触れてきた世代ではありませんが、自分が子どもの頃に写ルンですで撮った写真や、親が撮ってくれたフィルム写真を見返すと、色褪せていたり、ブレていたり、失敗していたりする。それなのに、なぜかすごく愛おしい。その写真を見ると、その時の出来事や、その場の空気まで思い出すことがあります。
写真は、なくても生きていける。でも、なくしてしまったら二度と取り戻せない時間があります。だからこそ、撮る人、残す人の想いに寄り添い、その人に合った残し方を提案する。そして、次の世代や次の人へつないでいく。そこに、私たちの仕事の価値があると思っています。
今回のイベントを通じて、これまで13年間、お客さまと写真について話し、悩み、考えてきた時間は間違っていなかったと改めて感じました。
写真を残すことの価値を知ったからこそ、それを伝え、残し続けたい。そんな思いを持って、これからもこの仕事に向き合っていきたいと思います」

■「杉本博司 絶滅写真」
展覧会:「杉本博司 絶滅写真」(HIROSHI SUGIMOTO: EXTINCTION)
会場  :東京国立近代美術館 1階企画展ギャラリー
会期  :2026年6月16日(火)~9月13日(日)
休館日 :月曜
開館時間:10:00~17:00(金曜・土曜20:00まで)
     ※入館は閉館の30分前まで
公式サイト:https://art.nikkei.com/sugimoto/

■河内 タカ氏
サンフランシスコの美術大学を卒業後、ニューヨークを拠点としてナン・ゴールデン、リチャード・プリンスなどの展覧会をキュレーション、並びに写真集の編集を多数手がける。2011年に帰国、amana photo collectionのチーフディレクターに就任し、日本人作家に限定した写真作品の収集を主導。現在は、京都・便利堂の海外事業部を統括し、写真の伝統印刷技術「コロタイプ」の普及に尽力する。Pen、婦人画報、& Premiumなどで執筆を行い、『アートの入り口』シリーズや『芸術家たち』シリーズなどの著書を出版、今秋には新刊が出版される。

■杉本 博司氏
1948年生まれ。1970年渡米後、1974年よりニューヨークと日本を行き来しながら制作を続ける。初期代表作に〈ジオラマ〉〈海景〉〈劇場〉シリーズがある。2008年に建築設計事務所「新素材研究所」、2009年に公益財団法人小田原文化財団を設立。2017年には構想から10年をかけて建設された文化施設「小田原文化財団江之浦測候所」を開設。演出と空間を手掛けた『At the Hawk’s Well / 鷹の井戸』が2019年秋にパリ・オペラ座にて上演。
著書に『苔のむすまで』『現な像』『アートの起源』『江之浦奇譚』『影老日記』など。また最新刊に『スギモトノート 銀塩写真技法』がある。2001年ハッセルブラッド国際写真賞、2009年高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)受賞、2010年秋の紫綬褒章受章、2013年フランス芸術文化勲章オフィシエ叙勲。2017年文化功労者に選出、2023年日本芸術院会員に就任。

■雑誌『Pen』
今年、創刊30周年を迎えた日本を代表するライフスタイル誌。デザイン、アートから時計、ファッションまで幅広いテーマを扱い、文化的な視点で切り込むスタイルに定評がある。月刊誌として発行する紙媒体を中心に、Web版のPen ONLINEや各ソーシャルメディアを展開。6月26日発売号の「揺さぶる写真」特集が話題に。杉本博司氏へのインタビューや、杉本博司×落合陽一の対談をはじめ、写真というメディアの奥深い魅力を浮き彫りにしている。

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