幻想の森と光の街、ところざわサクラタウンで出会う冬

キタムラ　荒牧 敬太郎

「ところざわサクラタウン」と聞いてもピンとこない方も多いかもしれません。ですが「KADOKAWA」が手がける角川武蔵野ミュージアムと聞けば、ご存じの方もいるのではないでしょうか。
図書館、美術館、博物館が一体となったこの施設には、所沢にちなんだショップや飲食店もあり、さらに敷地内には「アニメ聖地88」の一番札所である武蔵野坐令和神社もあります。文化とエンタメが融合した複合スポットです。

毎年、所沢ゆかりのアーティストやクリエイターが独自のテーマでイルミネーションを演出しており、まさに「アートを感じる光の世界」。訪れるたびに新しい発見があるのが魅力です。
私が撮影したのは2023年。隣接する雑木林「どんぐりの森」には、卵型の光るオブジェが点在して幻想的な空間が広がっていました。クリスマスの時期にはより華やかな装飾が施され、イルミネーションがいっそう映える季節です。
今年2025年は、11月29日(土)から年明けまで の期間で開催予定とのこと。
例年にも増してアート性の高い光演出が期待されており、冬の訪れとともにサクラタウン全体が温かな光に包まれる季節がやってきます。

夜景やイルミネーションは、それ自体が心を動かす被写体です。特に写真の中に空を入れられる場所では日没後のマジックアワー が最大のチャンス。冬の澄んだ空が刻々と暗くなり、残照から群青へと変わる瞬間は、光と空のコントラストがもっとも美しく調和します。
撮影のコツは明るいうちに方角と構図を決めておくこと。あとは「ここだ！」と思える瞬間をじっと待ち、光と空が溶け合うタイミングを逃さずシャッターを切ることです。

冬は、街のあちこちでイルミネーションやクリスマスイベントが夜を彩ります。
都内やベイエリアなど有名なスポットも多いですが、実は探してみると、まだ知られていない“イルミ映えスポット”がたくさんあります。
これからは、そんな隠れた光の名所も開拓していきたいと思います。