「推しフォトスポット」はキタムラ・ホールディングス グループ従業員が推薦する全国各地の撮影地をご紹介。絶景や季節の風景と撮影ポイントを掲載。撮影計画にぜひお役立てください。
午後の駅に差し込む光と伸びる影
POKER FACE 工藤 勇樹

東京・品川駅。
生まれも育ちも大田区の私にとって、品川駅は日常の延長線上にある場所です。
どこへ行くにも、どこから帰るにも自然と通り過ぎる駅で、気づけば「いってきます」や「ただいま」を家よりも強く感じることがあります。
構内は、記憶の中の風景と比べるとずいぶんと様変わりしました。
整えられた空間は少し無機質にも感じられますが、日中に陽光が差し込むと、その印象もやわらぎます。
光が床に落ち、影が伸びることで、そこに人の気配や時間の流れが重なっていくように見えます。
撮影したのは、陽が少し傾きはじめる14時ごろ。
利用客の流れが緩やかに変わり、構内に差し込む光が鉄骨に遮られながら床へと落ちていきます。
地に貼り付くような光のかたちは、雲の動きに合わせて少しずつ表情を変え、その様子を眺めながらシャッターを切っていました。


場所を変えて高輪ゲートウェイ駅にも足を運びました。
改札を出て海側の道路を歩いていると、上空を飛行機が通り過ぎていきます。
構図に迷いながら何度か見送り、ようやく収めた一枚には、飛行機の轟音や、その場の空気感までもが残ったように感じられました。
周辺には高層ビルが多く、視線を上げたり下げたりしながら歩くことになります。
少し立ち止まって光や影に目を向けてみると、普段は気にも留めない景色の中に、思いがけない表情が見つかることがあります。
使用したカメラはGRⅢx。
ファインダーを覗かず、目の前の光景と向き合いながらシャッターを切れるところが気に入っています。
モノクロでは、ハイコントラストBWを使い、露出を少し落とすことで、光と影がよりはっきりと写し出されます。
暗がりの中に残る光を意識しながら、静かに撮影しました。
できることは多くありませんが、見たままの景色をそのまま写し取ってくれる描写は、街を歩きながら感じた空気を素直に残してくれます。
いつもの駅や街並みも、光の入り方ひとつで、少し違った表情を見せてくれるように思います。

現在は佐賀で勤務しています。
生まれ育ちを話すと、「シティーボーイ」と囃されるほど、周囲には自然が広がっています。
博多や天神まで足を延ばせば、東京と重なるような景色に出会える一方で、少し喧噪から離れると、青や緑に包まれた風景が静かに広がっています。
そうした場所に身を置くと、その日の空気や温度、湿度までもが、風景の一部として感じられることがあります。
これからは、そうした自然に囲まれた景色の中で、そのときどきの空気を閉じ込めるような写真を残していきたいと考えています。
締めくくりに添えたのは、佐賀への転勤後、夏に撮影した筑後川昇開橋と、そこに差し込んだ光芒の一枚です。

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