KIZUNA 2025 / 10 / 29
U-30界隈 写真のホンネ

episode.03-2

【カメラ・スマホ編 後半号】写真の魅力とこだわり

「Z世代のSNS利用」「若者の平成ブーム」といった情報で溢れていますが、実際の20代はSNS離れが加速していたり、平成ブームは一部で賑わっていたりと、一般認識とは異なるかもしれません。
「20代のホンネ」を知り、理解を深めることを目的として企画されました。

今回は、普段写真を撮る機会の多い3名にお集まりいただき、カメラを使う方・スマートフォンを使う方それぞれに、カメラとスマホの違いや魅力、撮影する際のこだわりをうかがいました。

PROFILE

藤元 道生さん(人物画像)

藤元 道生 さん

MICHIO FUJIMOTO

ラボネットワーク 営業部

幼少期から、家族で集まるときはカメラで写真を撮っていたため馴染みがあり、デジタル一眼レフからフィルムまで数台持っている。出掛けるときに持ち歩いたり、1人で撮影へ行ったりしている。

田中 愛莉さん(人物画像)

田中 愛莉 さん

AIRI TANAKA

ピックハイブ 営業部

高校生のときにカメラが流行しミラーレスを購入したが、現在は使用していない。スマホ撮影にはこだわりがあり、SNSへ載せることを前提に構図を考えたり、加工をしたりしている。

江口 爽さん(人物画像)

江口 爽 さん

SAWA EGUCHI

キタムラ・ホールディングス 人事部

新卒1年目で、大学生のときに初めてカメラを購入した。旅行や大人数で集まるときはカメラを持って行くが、普段はスマホで写真を撮ることが多い。

写真を撮影する際のこだわりポイントを教えてください

藤元:僕は、撮影時というより、撮影した写真のレタッチにこだわりがあります。
出来上がったデータを見て「まぁこんなもんか」と結構ショックを受けたりもしますが、レタッチによりクオリティが高まると、こんなに良い写真が完成したんだ!とめちゃくちゃテンションが上がります。撮影しているときよりも、レタッチをしているときや、レタッチ後の完成写真を見るときが本当に楽しいです。

田中:レタッチ、すごいですね!アプリなどを使っているのですか?

藤元:はい、DaVinci Resolveというアプリを使っています。大学で映像制作を学んでいたころから使っているのですが、綺麗に陰影をつけることができる点が魅力です。

江口:アプリ名を聞いたことがあります!レタッチには、どれくらい時間をかけているのですか?

藤元:写真によってまちまちですが、部屋に飾る写真なら色やコントラストの調整にこだわるので、1枚の写真につき2時間くらいレタッチしています。
たとえばこの写真は自分としてはとても盛っていて、3段階でレタッチをしています。1度目は、元写真の彩度を上げてクリアに。2度目は、フィルムライクな画質にがさつきを編集。3度目でセピアカラーを用いて、田舎のもの悲しさを際立つようにしました。映画ユリイカを意識しています。伝わるかな…カラーでは日本らしさがある写真ですが、レタッチすることで海外っぽくなるというか。モノクロチックなところが好きです。

田中:こうして比較すると、レタッチの段階によって異なる魅力がありますね!レタッチの重要性を感じます。

お気に入りの写真を教えてください

江口:3年前、成人式の前撮りをした日の写真です。私の前撮りに合わせて祖母含め家族全員が一緒に着物を着てくれて、プロカメラマンに付いてもらい鎌倉へ行きました。その帰り際に撮影した一枚で、祖母の感情の昂ぶりが伝わってくる感じがお気に入りです。
カメラを持っていなかったので有料のフィルム風スマホアプリを使って撮影したのですが、当時からフィルムカメラのようなレトロな写りに憧れがあったのだなと思い返しました。

藤元:僕は、この江口さんの写真にあるフレームっぽさが好きです。車中が暗い分、おばあちゃんにしっかり目が行くようになっていて、窓枠のフレーム感が写真を引き立たせているようで素敵だなと思います。
自分で撮影するときも、この暗さというかフィルムライクで被写体が引き立つような写真を撮ることが多いです

江口:ありがとうございます。私もこの写真のフレーム感を気に入っています!

田中:私は、この写真がお気に入りです。天然ビーチなのでシャワーや人工物はなく、人も全然いなかったので非現実感がありとても綺麗でした。ですが、海に入って2-3分でクラゲに刺されてしまい、その跡が今も残っているので、「もう行きません」という思い出の写真です(笑)

江口:ビーチでの情景が目に浮かびます!写真は、撮影する楽しさだけでなく、見返すことでそのときの感情や思い出も共有できるところが良いですよね。
こちらの写真は、新卒研修が終わった次の日に、地元の桜を見に行ったときのものです。桜の木を見上げて歩いていたら、カーブミラーに桜が写っていることに気づいて撮りました。ローアングルだからか、ミラーが誇り高い存在に見えるところがお気に入りです。そして、私が眺めていると周りの人たちもカーブミラーに写る桜に気づいてみんなも写真を撮り、連鎖していたのが嬉しかった思い出です。

田中:写真撮影が連鎖するって、とても素敵ですね。そのときの暖かい空気感が伝わってきます!
この写真は、前職の先輩と韓国へ行ったときに撮影しました。一緒に行った先輩との旅行は毎回トラブルがあるんですけど、このときは夜に先輩がパスポートを無くしてしまって…次の日警察署と大使館に駆け込みました。運の良いことに落とし物で届いていたので、韓国は優しい国だなと思いました(笑)

江口:それは結構焦りましたよね…

田中:先輩は結構楽観的なので、「やばいね」って笑っていました(笑)大学時代の韓国留学経験から警察へ色々説明することができて、留学へ行っていて本当に良かったと思いました。そんな思い出が詰まっているし、私の後ろ姿が可愛いのでお気に入りです! 

藤元:これは偶然撮れた写真で、まさに運命!と思いました。真ん中に女性がいて、周りはちょうどよく余白があり、僕的に完璧な構図です。この運命のようなものを信じることができるのが、写真の魅力であり好きなところです。なんか臭いこと言っちゃってますね(笑)
鮮明に写っているのは真ん中にいる女性だけで、その他は雑木林で何の情報もない。「何を伝えたいのか、なぜ撮ったのかすぐには分からない」そんな写真こそ、良い意味で余白を感じさせるというか、心に残る写真であり写真の意味だと思っています。何か物事を伝えるときにどういうものが心に残るかを考えると、相手に写真・言葉・音などで余白を与えることが出来ると思っています。

田中:深いことを考えながら写真を撮ったことが無かったので、もっと色々考えながら撮ってみたいなと思いました。考えて撮ることの良し悪しはありませんが、もう少し勉強して、構図などを意識しながら写真を撮ることも楽しそうだなと思います!

写真としてカタチに残すことの魅力を教えてください

藤元:僕はプロの写真家ではないですが、写真展に行って写真を見ると、なんだか情熱を感じます。この写真で救われている人もたくさんいるのだなと。生きる希望もなかったような人も写真を見て元気を取り戻せたり、誰かが目指す目標になっていたり、そういった「誰かのためになっている」ところが写真の魅力だなと思います。自分の写真も誰かのためになっているかもしれませんし、なっていたら嬉しいなと思います。

江口:写真は、自分の感情を表してくれるところが好きです。藤元さんのいう余白のように、この写真も静けさとか心が空っぽになった感じが出ているなと思います。
就職目前で自由に使える時間は最後だ!と旅行を詰め込んでいた時期に、福岡の博多ポートタワーから撮った写真です。博多港が見下ろせる観光スポットと聞き行ってみると、博多の街は騒々しくて人や車が行き交っているのに対し、タワーから見下ろす景色は音も感じないほど静かでした。賑やかな博多港と、悠然に変化する空や海のコントラストが息を呑むほどに綺麗で、日が暮れるまでずっと見守っていたのを覚えています。景色的には、もっと明るい方が綺麗かもしれませんが、そのときの自分の感情を表しているような雰囲気が気に入っています。

インタビューにご協力いただいた藤元さん、田中さん、江口さん、ありがとうございました!
今回は、みなさんのお気に入り写真をエピソードとともにご紹介いただきました。余白を大切にした写真、思い出を記録した写真、そのときの感情を表している写真など、こだわりを知ることで、より素敵に感じられます。写真は撮影する楽しさだけでなく、誰かの希望になっていたり自分の感情を表してくれたり、思い出をカタチに残す魅力を再確認できました。

「【U-30界隈 写真のホンネ】カメラ・スマホ編」は完結です。
次回もお楽しみに!

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