KIZUNA 2025 / 05 / 28
サステナ NEWS

カメラのキタムラからサステナブル商品「フォトスタンド」が登場

カメラのキタムラでは2023年6月1日より、思い出も思いやりも一緒にかざろうをコンセプトに、エコ素材で地球にやさしいリサイクルコルク×リサイクルアクリルでつくったオリジナルフォトスタンドの販売をしています。商品の企画や開発の背景を、キタムラ サプライチェーン部 大原 梨紗さんにうかがいました。

SDGsに貢献できる商品を

このフォトスタンドは、特定非営利活動法人RE機構が行う『CIRCLE OF CORK』の活動でリサイクルされたコルク素材を使用しています。また生産過程においては、障がいを持つ方々の手を借りていて、その方々の自立と社会活動を支援しています。

本来ゴミとして処分されてしまうワインやシャンパンなどのコルク栓を全国のレストランやホテルから回収して、それらを障がいを持つ方々が洗浄・選別し、コルク工場で加熱殺菌・成形しリサイクルされた素材を使用しています。またアクリルは、テレビ周辺機材の生産過程で発生した端材や残材を再生した100%リサイクル素材。精密機器用のアクリル生産をしているハイグレードな工場で生産される再生材は高い光透過率で品質も抜群です。

この商品を通じて、SDGsにも掲げられている17の目標のうち、⑧「働きがいも 経済成長も」と⑫「つくる責任 つかう責任」に貢献しています。

こだわり抜いたエコ商品

私は以前にアパレル業界にいました。そこではエコ素材を使用した商品開発が多くあり、再生ペットボトルやリサイクル繊維・オーガニックコットン・フェアトレードなどサステナブルな素材を使った取り組みが盛んでした。そういった背景とキタムラ・ホールディングス グループが会社としてサステナビリティに取り込んでいることもあり、商品を企画する際に「エコ素材でなにかできないか」と考えていました。

そんなときにギフトショーの視察でリサイクルコルクのことを知り、「これは!」と思い、商品の企画・立案をしました。まずはコルク素材で開発できる写真関連グッズや、キタムラで展開できる商品は何があるのかとリサーチして、フォトスタンド・アルバム・メモ帳・ポーチなどいろいろな商品を検討しましたが、チーム内で話し合いやメーカーとの打ち合わせを重ねた結果、まずはフォトスタンドから商品化してみよう!となりました。

商品開発を進めるにあたり、まずはギフトショーでリサイクルコルクを展示していたデザイン会社と商談しました。価格や納品などの条件が合わなく断念しましたが、他にリサイクルコルクについての関連会社を調べていった結果、NPO法人であるRE機構にたどり着きました。そこでリサイクルコルクを通じて障がいを持つ方々の社会活動にもつなげていることを知り、「ぜひ一緒に商品開発をしたい」と思いが沸き上がったのを覚えています。

RE機構にうかがい「こんな企画を考えています!」と想いを伝えたところ快くご協力いただけることとなり、そこで120年もの歴史のある老舗コルクメーカーを紹介いただき、本格的に開発開始となりました。さらにエコ素材にとことんこだわろうと私と同じチームの吉井さんからアクリルメーカーを紹介してもらい、品質の良いリサイクルアクリルを仕入れることも出来ました。アクリルとコルクの仕入れ先を別にしたことで、各商品の価格交渉と品質管理をすべて自社で責任もって実施しなければならない且つ、双方ともに条件をクリアしなければ生産に進めないという難点がありましたが、品質管理を担当しているチームメンバー麦さんの協力もあり、問題なく進めることができました。このように、2つの会社をつなげ、それぞれ素晴らしい素材をひとつの商品として完成させることができたのも、チームメンバーと取引に前向きな協力をしてくださったサプライヤーのおかげだと思います。

そして最後にパッケージですが、デザインを決める上で2つのことを意識しました。1つめは、とことんこだわる「エコ」です。商品自体がエコ素材でできているため、パッケージもコンセプトに沿って作りたく再生クラフト紙を使用し、さらに「エコ」を訴求できるようにデザインをできるだけシンプルにしました。2つめは、「梱包作業のしやすさ」です。最後の仕上げの梱包作業は、RE機構を通じて青森県むつ市にある社会福祉施設のみなさんにお願いをしました。みなさんが作業しやすい仕様にするためにパッケージの形状を考案する段階から作業を確認して、デザインを考案しました。施設の作業風景を動画で見せていただきましたが、みなさん本当に丁寧に梱包をしてくれていました。今回のご縁とご協力に感謝しています。

最後に

企画から取引先の選定、資材調達やパッケージデザインまでを社内で一貫して手がけた初のSPA商品となるため、開発のための一つひとつの作業を情報収集や検証をしながら進めました。商品寸法における1mm単位の調整やパッケージの表示内容の一言一句をチームメンバー全員が確認し、納得した上で次に進むという方法で行ってきました。そのため、調整や開発に時間をかけてやっと出来上がった商品がリリースされたときは、とても感動したのを覚えています。

そして、コルク栓のワインを飲んだときは、コルク栓は捨てないでください。まとまった数になったらぜひRE機構に送ってリサイクルをしましょう!みんなで身近なサステナブルな取り組みができると嬉しいです。

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