フォトクリエイトのサービス「GRAPHICBOOK」の製作過程で行う写真セレクトの作業時間を、AIによる自動化で80%削減した"AIセレクト"について、フォトクリエイト スポーツ文化事業企画部 池田 凌さんに、実装までの経緯や今後の展望についてうかがいました。
まずはGRAPHICBOOKについて教えてください!
「AIセレクト」はフォトグラファーの作業時間を減らす業務効率化ツールです。フォトクリエイトでは幼児~社会人までの幅広いスポーツイベントにフォトグラファーを派遣して写真撮影を行っています。撮影した写真は、同社が運営するECサイト「オールスポーツコミュニティ」で販売するほか、大会に参加したチームごとに、オリジナルの写真集「GRAPHICBOOK」を制作しています。表紙も大会ごとに専属のデザイナーが作成するなど外装にもこだわっており、思わず飾りたくなるようなオリジナリティ溢れる1冊を目指しています。
なぜAIセレクトという技術が立ち上がったのでしょうか
GRAPHICBOOKを制作し届ける過程で大きな課題となっていたのが、大会撮影後の写真セレクト作業でした。1試合で数千枚の写真を撮影し、そこから各チーム200枚程度にチーム分け&セレクトをするのですが、この作業に数時間~半日以上かかっています。特に中高生を中心とした部活動は7月下旬~8月末の夏休み期間に集中し、フォトグラファーは連日のように撮影と納品を繰り返さなければならないため、セレクト作業のために撮影を休まなくてはいけないということもありました。元々フォトクリエイトではAIを活用した業務効率化に力を入れているのですが、フォトグラファーからの納品への切実な改善要望、そして会社としての改善意識が重なった結果としてAIセレクトが立ち上がったという背景があります。
AIセレクト導入による効果はいかがですか?
フォトグラファーにAIセレクトに関するアンケートを実施したところ、約9割の方から「導入以前よりもセレクト作業が短縮された」という回答をいただくことができました。また撮影後の工数が減ることによって「撮影に集中することができるようになった」という声も数多くあがっています。
AIセレクト・GRAPHICBOOKの今後の展開を教えてください
運用のテストも兼ねているため、現在はバスケットボールのみでAIセレクトを実施していますが、今後はチームスポーツ全種目への展開を予定しています。ゆくゆくはチアダンスやバトントワーリングなどの種目についても、AIセレクト実装を進めていくつもりです。GRAPHICBOOKはサービス開始から5周年を迎えますが、立ち上げ当初から一貫して大切にしているコンセプトが「ストーリー性」です。単に大会の記録撮影としてではなく、その前後にある仲間との思い出や厳しい練習の日々などがGRAPHICBOOKを通して伝わり、見返すことでいつでも記憶が蘇る...そんなサービスを目指しています。これからもお客さまの声を大切にしながら、より心に残る1冊を作り続けていきます。
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