キタムラ・ホールディングス グループには、その道を究めた「プロフェッショナル」が数多く所属しています。カメラ・時計修理の名工からプリント&印刷のエキスパート、メガネ販売の専門家、商品企画、デザイナーまで。フォト&ライフ・カンパニーにおけるプロの仕事に迫る連載記事です。
本連載の10回目にご登場いただくのは、POKER FACEでマーチャンダイザーとして働く手島さん。マーチャンダイザーとは、「商品を“売れる形”に設計する人」という意味で、店舗で販売する商品の選定、仕入れ数などを管理する。「上質なスタンダード」をキーワードに、高い品質でファッション性の高いブランドをバイイングしてきた手島さんに自身の業務や、なぜメガネ業界に入ったのか、今後の展望について語っていただきました。
PROFILE
手島 勇人 さん
YUTO TEJIMA
新卒でPOKER FACEに入社後、名古屋店に配属。約4年間在籍し、店長も経験。その後、本社でマーチャンダイザーに就任。バイヤー業務を行いながら、2025年12月に、POKER FACE10年ぶりのブランド『MAIN』の立ち上げに携わる。
「メガネ屋さんってかっこいい」が原点
全国展開するPOKER FACEの店舗に並ぶ商品の選定から、ブランドとの価格交渉、販売予測に基づいた仕入れ戦略まで。商品戦略の司令官とも言える「マーチャンダイザー」を担う手島さんに、何故メガネ業界・POKER FACEに入社したのかを訊いた。
「大学時代、ファッションに詳しい先輩の影響で古着とメガネにハマりました。ファッションとしてのメガネに魅了され、視力は悪くなかったのですが、メガネをたくさん持っていました。転機は、東京へ旅行に来た際に訪れた、個人経営のメガネ販売店。それまでの『メガネ屋さん』のイメージを覆すほど、そこで販売してくれた方がとてもカッコよくて、"メガネ屋さんってかっこいい”と感じ、メガネ業界で働くことを意識し始めました」
その後、新卒でPOKER FACEに入社し、名古屋店に配属されたという。店長時代は売上トップの成績も残し、兼ねてから希望していたバイヤー業務を行うマーチャンダイザーに就任。
「華やかなウイング」ではなく、
「泥臭いミッドフィルダー」みたいなポジション
念願のバイヤー業務に就いた際に、当初想定していた業務と、ギャップはあったのだろうか。
「大学時代に読んでいたファッション雑誌に載っていたかっこいい人たちは『バイヤー』という肩書きの人が多く、”オシャレ=バイヤー”のようなイメージでした。自分自身のセンスで商品選定を行う、言わばウイング(サッカーにおけるドリブルをメインに点につなげるポジション)かと思っていたら、とっても地味な作業が多く、ミッドフィルダー(サッカーにおける攻撃ポジションと守備ポジションをパスでつなぐポジション)のような役割 でした。だからこそ、しっかりとパスがつなげるように、商品の展示会などには足を運んで実際に手に取り触って確かめています。そのときに、期待していた以上の商品だと学生時代のメガネ好きだった自分に戻ったようにワクワクします」
マーチャンダイザーとして約6年間働いてきた手島さんは、バイヤー業務で最も大事にしていることは何なのかを投げかけた。
「バイヤー業務で最も大事なのは、お客さまに寄り添うことです。自分勝手に好きなものを仕入れるのではなく、POKER FACEに来店されるお客さまのことをしっかりと想定して、どんな商品だったら喜んでいただけるかを考えます。お客さまが想定していた商品をしっかりと提供するのはもちろん、期待以上の商品を提案できるようにする。それが一番いいバイヤーだと思います」
メガネという存在が人々にとってもっと大きな存在になるように
現在は、バイヤー業務と並行して、10年ぶりとなるPOKER FACEオリジナルブランドの立ち上げを行うなど、多岐にわたる活躍をする手島さんに今後の展望についてうかがった。
「POKER FACEの商品セレクトの基準には“上質なスタンダード”というキーワードが存在します。それが何なのか、いまだに正解がわかりませんが、今思っていることは、永く愛用していただくことができるものではないかということです。人生において、メガネを購入する機会というのはそんなに多くはないはずですので、だからこそ永く使っていただけるようなモノをご提供したいですし、そのためには商品だけでなくトータルサービスを高めていく必要があると感じています。
昨年末に立ち上げたオリジナルブランドMAINについても、“モノを愛用するために必要なこと”を自分なりに紐解き、商品で表現するということを行っています。メガネという小さな存在が、人々にとってもっと大きな存在になってくれると嬉しいです」
TEJIMA'S CHOICE

手島さんのおすすめメガネ
ファッションアイテムとして人気のアイウェア
今回、手島さんがおすすめしてくれたのは3本のアイウェア。手島さんが携わった新ブランドは「MAIN(右側)※¹」。「ayame(真ん中)※²」は、2025年で35周年を迎えたPOKER FACEを記念して制作した特別アイテムのうちの一つ。「Oliver Goldsmith(左側)※³」は、ブランド100周年を記念して制作した。3本すべてPOKER FACEでしか買えない限定商品です。
※¹MAINは、手島さんが手掛けた普遍的なデザインを基軸に、機能性と素材の美しさを追求するアイウェアブランド。伝統的なフレームシェイプに現代的なディテールを融合し、金属パーツの経年変化も楽しめる構造で、クラシックでありながら新鮮な佇まいを実現する。“普遍性・機能性・嗜好性”を掲げ、日常に寄り添いながら長く愛せる一本を提案している。ご紹介のモデルは、手島さんの愛用するビンテージデニムのカラーリングから着想を得た、濃紺のクリアブルーの生地に、カッパーのリベットを組み合わせたもの。
※²東京発のayameは、ユーモアと洗練を併せ持つデザインと確かなクラフトマンシップで支持を集めるブランド。POKER FACE35周年記念企画として、“定番品(High Standard)”をテーマに制作したモデル。ブランドを代表する究極のミニマムデザインに、柔らかさを残した六角形のフロントデザインは、ayameのデザイナーと一緒に0.1mm単位に拘って修正を繰り返したのち完成した手島さんお気に入りの1本。
※³1926年、英国で初代が一本一本手仕事の鼈甲フレームを届けたことから始まったOliver Goldsmithは今年で100周年。100周年という「時間の経過」をテーマした企画“Patina Collection”では、「ダメージメッキ」と呼ばれる特殊な表面処理を施し、新品でありながらも、まるで長年使い込んで金属が経年変化したような雰囲気を味わえる商品に。
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