KIZUNA 2025 / 12 / 24
U-30界隈 写真のホンネ

episode.04-1

【写真整理編 前半号】こんなふうに私たちの写真はたまっていきます

「Z世代のSNS利用」「若者の平成ブーム」といった情報で溢れていますが、実際の20代はSNS離れが加速していたり、平成ブームは一部で賑わっていたりと、一般認識とは異なるかもしれません。
「20代のホンネ」を知り、理解を深めることを目的として企画されました。

今回は、日ごろ仕事でもプライベートでもよく写真を撮影される3名の方にお集まりいただきました。スマホやデータ保存が当たり前になった今、「撮る」「ためる」「見返す」をテーマに、それぞれが写真とどう向き合い、どう残しているのかをうかがいます。

PROFILE

内藤 榛菜さん(人物画像)

内藤 榛菜 さん

HARUNA NAITO

ピックハイブ フォトスタジオサービス事業部

学生のころからSNSへ載せる写真にこだわってきた。入社後カメラにも興味を持つようになり、今年はinstax mini Evoを購入。同時期に両親からコンデジのお下がりを貰い、愛用している。より本格的な写真を撮りたくなり、一眼レフの購入を検討中。

牧野 暢生さん(人物画像)

牧野 暢生 さん

MASAKI MAKINO

キタムラ 人事部

高校時代からカメラを持っている、大のカメラ好き。風景に溶け込む飛行機や、水族館でのクラゲ撮影、街中スナップなど。幅広く被写体を追いかけている。
ライフワークは一年間で撮った写真を翌年のカレンダーにすること。

佐藤 彩海さん(人物画像)

佐藤 彩海 さん

AMI SATO

カメラのキタムラ

高校生のときに友だちとテーマパークへ一眼レフを持って撮影したことをきっかけに、日常でも風景や人物の撮影をするようになる。最近は動物園や水族館に行って動物たちのかわいい瞬間を切り抜くことが楽しみ。夢は全国の動物園・水族館を撮影して回ること。

早速ですが、どんなときに写真を撮るのか教えてください

佐藤:私は、ご飯を食べに行ったときや、お出かけしたときに写真を撮っています。動物園や水族館に行くのが好きで、よく動物も撮りますね。ほかには、友だちとお出かけするときにもほぼ毎回カメラを持って行きます。後ろ姿を撮るのが本当に好きで、自分が写るより相手の写真のほうが多いかも!

牧野:僕も撮るのが好きなので写真を撮るために出かけることもありますし、日常のなかでもよく撮ります。ランチに行ったときにも撮るし、散歩に出かけたときにも撮るし、趣味の飛行機撮影でも。日常の中に「カメラ」や「写真」が溶け込んでいます。食べたものや、一緒に過ごした時間など、綺麗だな、いいなと思った瞬間を残す意味合いで撮ることが多いですね。記録みたいな感覚かもしれないです。

内藤:私はSNSに載せるのがメインなので、それ用に撮ることが多いですね。
ほとんどお二人と同じで、食べたものや料理したものをたくさん撮っています。
友だちと写真を撮るときは本当にたくさん撮ってしまって、同じような写真もありますがどれもよくて消せず、結果的に友だちとの写真が一番多く残っているかもしれません(笑)。消せなくて困っています。

みなさんがお持ちのカメラと、その使い分けについて教えてください!

佐藤:私は基本1台を大事に使うようにしています。このカメラは今年の頭に、前のものから買い換えました。大きいですが、このカメラを持ってずっと出かけています。あとは、写ルンですなどのフィルムカメラも好きですね。

内藤:友だちと遊びに行くときはフジフイルム instax mini Evo(以下、ミニエボ)を持って行き、その場でチェキプリントにして渡したりもします。美術館や展示会などでは、ニコンのコンデジで撮ることが多いです。ニコンのカメラは、両親からのお下がりなんですけど、ふわっとした質感が可愛くてよく使っています。カメラはこの2台です。

牧野:今日はリコー GR IIIを持ってきましたが、もう1つキヤノン EOS R5も持っています。
飛行機を撮りに行くときは望遠が使えるEOS R5を持って出かけますし、ちょっとしたお出かけや出張のときにはGR IIIをポケットにしのばせていく、という感じです。
最近だとEOS R5を持って大阪・関西万博のブルーインパルスを撮りに行きました。

場面によって撮影機器を使い分けたり、工夫をしながら撮影されていることがわかりました。撮った写真は全部残しているのでしょうか?

牧野:僕は撮った写真は全部残しています。飛行場や水族館に撮影しに行ったときに設定ミスでブレた写真もありますが、「それも味かな」と思って極力消さないです。すごく昔に撮った、例えば10年くらい前に撮った写真でちょっとブレていたり、ISO感度が高くノイズが乗っている写真でも、今の技術ならAIで修正ができることを最近知ったんです。「残していてよかったな」と思う瞬間があってからは、何かしらに使えるかもって思うと、もったいなくて消せないですね。

内藤:私もうまく撮れなかった写真、意外と消さないですね。微妙でも残すのが楽しいというか・・・。
ただ、消すときは消します。例えば、友だちと盛るために撮った写真で盛れてなかったら、潔く「消そう」ってなります。でも盛れてなくても面白い写真が何枚か撮れていたら全部残すこともあるので、線引きはちょっと曖昧ですね。「全部残している」という感じではないです。

失敗写真も残していることが多いのですね。残しているけど見返せない写真なんてありますか?

内藤:あまり見返したくない写真はないですね。ただ、過去の自分があまりにも垢抜けてなかったり、今の価値観だとダサい服装の写真を見ると「うわー」ってなることはあります。当時の流行りではあったんですけど今見ると痛いな、みたいな。でも、それも含めて思い出なので基本は消さないですね。

佐藤:私も、見返したくない写真はないかもしれません。「こんなことをしていたんだな」「こういう時期もあったな」という感じで見ています。自分が写っている写真をじっくり見ることはないですが、記録の写真という位置づけだったら見返せないこともないし、意外と懐かしいなって思います。

なるほど!どんな写真も思い出ですね。その思い出、どんなときに見返しますか?

内藤:そうですね、ふとしたときに見返していますね。あとは、友だちといった場所の会話をしながら見返したり、昔話をしながら見返す時間も結構あります。ほかにも、帰省した時に昔話をしながら見たり、家族に仕事の話をするときに、写真を交えながら話すと伝えやすく、すごく喜んでもくれるので、一緒に見ますね。

佐藤:それでいうと、スマホの通知で「この日の思い出」みたいなのが来るので、それで一気に見返すことも多いです。

内藤:
ちょっと話が変わってしまいますが、最近は撮ったときの想いをちゃんと思い出せるように、工夫しながら写真を撮るようにしています。
先日聞いた「思い出の中の色と、実際の色は違う」という話が印象に残っていて。記憶の中の色や風景は、どうしても美化されちゃったり、そのときの思いが反映されて実際の色とは違ったりする現象があるらしいです。それを「メモリーカラー(記憶色)」というそうです。
それを聞いてから、自分の感情とか、そのときの想いを乗せて写真を撮るようにしています。スマホで適当に撮るだけじゃなくて、露出を抑えたり、できるだけ「そのときの自分の気持ち」に近い表現ができるように設定をして撮る。ここ1か月くらいのことですが、ちょっと意識して撮るようになってからは、前よりもっと写真に愛着をもてるようになりました。

  

写真を撮る時間も、見返す時間も、みなさんにとっては、その瞬間の気持ちや一緒に過ごした時間を確かめるような、大切な時間であることが伝わってきました。だからこそ、ブレていたり完璧じゃなかったりしても、簡単には消せない写真が自然と増えていくのかもしれません。
こうして積み重なっていく写真は、気づけば日常の一部になり、特別に意識しなくても手元に残り続けていきます。では、その写真たちは今、どれくらいの量になっていて、どんなふうに保存されているのでしょうか。後半では、写真が「データ」として残っていく現実や、その向き合い方について、さらに話を聞いていきます。

「次回は【U-30界隈 写真のホンネ】写真整理編 後編」です。お楽しみに!

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