フィルムで撮ると「いつも」が「特別」になる。
スマートフォンなどで、誰もが簡単に高画質な写真を撮れるデジタル時代。それでも今、「他とは違う一枚が撮りたい」「感情の残る写真を残したい」と、あえてフィルムを選ぶ人が増えています。
“エモさ”やノスタルジーを感じる写真表現が注目されるようになり、Z世代を中心に、レンズ付きフィルム(以下LF)への関心も少しずつ広がってきました。その流れの中で、「写ルンです」などのLFが再び話題となり、近年ではカメラのキタムラの店頭でも品薄状態が続いています。
こうした流れの中で誕生したのが、SPA商品のキタムラオリジナル LF「ニューレトロ」です。ニューレトロはその名の通り、「新しい(New)けれど、どこか懐かしい(Retro)」。中高生の間でレトロがブームになっていることも背景に、スマートフォンとは一味違うフィルムならではの“エモい写り”を手軽に楽しんでもらいたいという想いから名付けられました。「ニューレトロ」の特徴は、ISO400の程よい粒子感、どこか懐かしい仕上がりとレトロチックなパッケージで、撮る時間そのものが特別になるLFです。
開発にあたっては、LFといえば「写ルンです」や「コダック ファンセーバー」といった定番商品がある中で、果たしてお客さまに手に取ってもらえるのかという不安もありました。それでも、カメラのキタムラが作った商品なら安心と思ってもらえるはずだと、カメラ専門店としての信頼を信じ、パッケージにはあえてキタムラのロゴを入れて商品開発を進めました。
撮ったあとも楽しい!#キタムラフィルム部
フィルムカメラの魅力は、シャッターを切ったその先にあります。現像するまで、どんな写真に仕上がっているのか分からない――。その“待つ時間”も、フィルムならではの楽しみです。
一方で、「撮り終わったフィルムはどうすればいいの?」そんな疑問を持つ方も少なくありません。
そこで、フィルム撮影の不安をまるごと解決するために「#キタムラフィルム部」サイトを制作しました。
現像や保存方法はもちろん、仕上げの選び方、フィルム写真の活用方法までを1つにまとめて紹介していますので、ぜひご覧ください
広島カープと初コラボ!オリジナルLF誕生
キタムラと広島東洋カープ。一見意外にも思えるこの組み合わせですが、広島東洋カープさまから「オリジナルLFを製造したい」というお問い合わせをいただいたことをきっかけに、コラボレーションが実現しました。
企画立ち上げの背景から商品化までの裏側、そしてこのコラボに込めた想いについて、プロジェクトを担当した大原さんにお話をうかがいました。
PROFILE
大原 梨紗 さん
RISA OHARA
キタムラ 企画本部 サプライチェーン部
調達グループ マネージャー
オリジナルLFの販売開始から3年。販売数・品質ともに安定してきたことを受け、外部への販売にもチャレンジしたいという声が部内で上がりました。そんな矢先、広島東洋カープ様から「オリジナルLFを製造したい」というお問い合わせをいただきました。まさにジャストタイミング。前向きに検討を進めることになりました。こうして誕生した広島東洋カープとのコラボLFは、2026年1月31日に発売されました。
製造面で特に苦労したのは、外装袋のデザインと製造です。デザインの完成度を高めるため、数ミリ単位で先方と調整を重ね、さらに“カープの赤”を美しく表現するため、工場と何度も印刷方法を見直しました。こうした細かな調整を、同じチームの麦さんが中心となって粘り強く進めてくれました。
また、カメラのキタムラは小売業が本業のため、卸売りに対応する経理上の仕組みや在庫管理の体制が整っていないという課題がありました。現行の仕組みの中で対応できる方法を探り、各部署と相談を重ねながら調整を行い、無事に納品することができました。今回の実現は関係部署のみなさんの協力あってこそだと感じています。
世代を超えた熱いファン文化と、球団が紡いできた長い歴史、それが広島東洋カープの大きな魅力です。フィルム写真が持つ温かみや懐かしさは、その世界観と相性が良く、真っ赤に染まるマツダ スタジアムのスタンドも、レンズ付きフィルムで撮影すれば、よりドラマチックな一枚になるはずです。
このレンズ付きフィルムは、ぜひスタジアムで使ってほしいと思っています。試合前の高揚感、応援に熱が入る瞬間、そして勝利のあとの笑顔、その一つひとつを空気感ごと残してほしいです。
撮影後は、カープグッズと一緒に部屋に飾り、現像した写真を眺めながら、「この試合、カープ勝ったよね」そんな会話が生まれるきっかけになったら嬉しいです。
このカメラが、カープファンのみなさまにとって、応援の時間をより楽しく、思い出深いものにする存在になればと思っています。
最後に、広島東洋カープとのコラボは、今後の展開に向けた大きな一歩であり、オリジナルLFが少しずつ認知されてきたことを実感する出来事でした。この取り組みをきっかけに、今後もオリジナル商品の製造に積極的に挑戦し、レンズ付フィルムやフィルムの魅力を、より多くの方に届けていきたいと考えています。
SNSを駆使した新プロモーションに挑戦
レンズ付きフィルムをもっと多くの方に体験してもらいたい。また、カメラのキタムラに興味を持ってもらいたいという想いから、街頭で一般の方にレンズ付きフィルムを手渡し、1日自由に撮影してもらい、その写真をカメラのキタムラ公式Instagramやカメラのキタムラ公式TikTokで紹介するという新しいプロモーションに挑戦しました。
今回は、このプロモーションを担当した樋口さんに、企画が生まれた背景や、現場で感じた手応え、そしてニューレトロに込めた想いについてお話をうかがいました。
PROFILE
樋口 夏美 さん
NATSUMI HIGUCHI
キタムラ 統合マーケティング本部
今回の企画は、「カメラのキタムラに興味を持ってくれる若い層を増やしたい」という想いからスタートしました。SNS運用を通じて、認知が広がることで集客につながる手応えを感じる中、より多くの方に見ていただくために、同じチームの加賀山さんとSNSの「動画」とフィルムの人気、カメラのキタムラのデジタル化できるサービスを組み合わせた企画を考えました。
SNSの動画では、”いかに身近に感じてもらえるか”が重要です。そこで、街頭でレンズ付きフィルムを手渡し、1日自由に撮影してもらったデータで動画をつくることで、リアルな日常の動画を投稿するようにしました。また、より魅力的な動画を制作するために、デザイン部の中島さんにもご協力いただきました。
実際に街頭での声がけを行いましたが、簡単ではありませんでした。夏の暑い時期で体力的にも厳しく、9割ほどお断りされて心が折れそうになる場面もありましたが、チーム全員が声をかけ続け、目標数を達成することができました。
企画にご承諾いただいた参加者の中には、LFを使用したことがある方も初めての方もいましたが、みなさん楽しそうに撮影へ出かけていきました。レンズ付きフィルムの返送時には、「一日が特別になった」「またカメラを持ち歩きたい」といった声も寄せられ、企画の手応えを感じました。
スマートフォンで手軽に撮影できる時代だからこそ、フィルムを巻き、ファインダーを覗き、現像を待つ。そんな体験やフィルムならではの空気感を若い世代にも楽しんでほしく、カメラのキタムラのSNSが、そのきっかけになれば嬉しいです!
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