カメラ・レンズの最新技術は各メーカーがしのぎを削り、日進月歩の勢いで進化を遂げている。発表されると同時に世界中のカメラファンは驚き、その最新技術を用いて「これまでできなかった新しい表現の作品を作りたい」と期待に胸を膨らませた経験をお持ちの方もいるのではないだろうか。

一方でカメラ・レンズの高機能化が進むことで「選ぶのが大変」と悩みを持つ方もいらっしゃる。今回は日々最新のカメラに触れ、お客さまのお悩みを解決するプロである2F新品カメラフロアリーダーの福島 達巳（たつみ）さんに、最新カメラ・レンズの人気商品についてうかがった。

その人気は国境を超える。エントリーモデルとは思えない完成度

フジフイルムX-S20

カメラボディの売上トップはフジフイルムから発売されているミラーレスカメラX-S20。フジフイルムのXシリーズとはAPS-Cセンサーの利点を活かし、小型軽量ながら高画質のベストバランスを追求したシリーズで、ボディの形状によってX-ProやX-T、X-E、X-Aなどのラインナップがある。そのほとんどがクラシカルな外見だ。X-Sは他社のミラーレスカメラにも似た深いグリップが特徴的なモデル。

「ミラーレスカメラの人気なモデルはフジフイルムから発売されたX-S20です。フジフイルムのカメラはフィルムメーカーならではの色表現（フィルムシュミレーション）がSNSを中心に受けていることから、全般的に人気で在庫に関するお問い合わせも多くいただきます。特にX-S20は、中国から観光で来日される方の中でも初心者の方が、フジフイルムの神レンズとしても知られるXF35mm F1.4 Rや、薄くて持ち運びに便利なXF27mm F2.8 R WRと一緒にご購入される印象です」

－初心者の方に人気の理由は”カメラらしさ”

「X-S20が人気の理由はその操作性の高さだと思います。初心者の方はカメラの操作に慣れていない方がほとんどなので、X-S20や同社のX-M5といった扱いやすいエントリーモデルが人気です。もちろんX-M5もよくお問い合わせをいただきますが、比較するとX-S20は深いグリップで握りやすいうえに手振れ補正機能が搭載されていることや、絞り優先（A）モード・シャッタースピード優先(A)・マニュアルモードなどが選択可能なモードダイヤルを搭載しています。誰でもより簡単に撮影しやすく、ファインダーを覗いて撮る”カメラらしさ”が決め手です。既にディスコン（生産終了）も発表されているので、気になる方は早めの方が良いかもしれません」

高倍率ズームレンズのパイオニア、タムロンだからできる業

タムロン 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD ソニーEマウント用（Model A071）

交換レンズの売上トップは、日本の光学専用レンズメーカーであるタムロンから発売されている「28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD ソニーEマウント用（Model A071）」。ソニーのミラーレスカメラαシリーズのフルサイズセンサー対応の高倍率ズームレンズで、高倍率ズームレンズ（ズーム比7倍以上のレンズ）としては世界初（発売当時）となる広角側28mm F2.8で明るいことが特徴的な使いやすいレンズだ。

「28-200mm F2.8-5.6 Di III RXDは発売当時からベストセラーのレンズで、人気の理由はなんといっても一本でなんでも撮れる万能性です。発売当時は注文してから届くまでに数ヶ月かかる方も多くいらっしゃるほどだったのですが、最近は欲しい方にも行き渡りつつあり在庫も安定してきました。Eマウント用とある通り、フルサイズセンサーを搭載したソニーのミラーレスカメラ“α”シリーズをお使いの方を中心に購入されますが、初心者から上級者の方まで幅広く支持されているように感じます」

－日常の記録も旅行の思い出もこの一本で全て撮れる

「もちろん高倍率ズームレンズはソニーからも発売されているのですが、サイズはコンパクトかつ重量がペットボトルと同等クラスの575gと持ち運びがしやすいことが人気の理由の一つです。初心者の方はもちろんですが、上級者の方も『単焦点レンズだけでなく、ズームレンズも一本持っていきたい』と決めたときに持っていくハードルがぐっと下がるのは魅力的です。もちろん描写性能も高く、広角側の開放F値はF2.8で明るいので広角側でも大きなボケ感のある表現が楽しめるほか、被写体に近寄っての撮影も得意なのでどなたでも持っていて損をしない一本だと思います」

商品のご購入ページはこちら

世界中の誰もが欲しい、最高傑作のコンパクト

フジフイルム X100VI

コンパクトデジタルカメラの売上トップは、フジフイルムから発売されているX100VI。プレミアムコンパクトデジタルカメラX100シリーズの最新モデルで、シリーズの特徴ともいえるレンジファインダールックな外観や、レバーによって選択が可能なOVF（光学ファインダー）とEVF（電子ビューファインダー）を備え、極上の撮影体験が楽しめる。

「X100VIはフジフイルムの大人気コンパクトデジタルカメラ（コンデジ）であるX100シリーズの6代目となる商品で、国内外問わず数多くのお客さまからお問い合わせをいただきます。ズームができない代わりに描写力の高い単焦点レンズを搭載しており、手軽に高いクオリティの写真が撮れることから前モデルのX100Vも人気モデルでした。最新機種となるX100VIはもちろん大人気で発売以来、品薄が続いているほどです」

－最新のテクノロジーとエモさの両立、そして憧れ

「最近、SNSでは平成初期に発売された”オールドコンデジ”で撮った写真の投稿が流行っています。そんな背景もあり芸能人の方がコンデジを使用して鏡越しの自撮りや撮影現場などを撮影した写真の投稿も増えました。投稿を見て憧れた若い方が購入されることも多いです。シンプルなデザインのRICOH（リコー）GR IIIや40mmの単焦点レンズを搭載したGR IIIxも人気なのですが、レンジファインダー風の見た目やフィルムのような写真が撮れることも人気の理由です」

カメラのキタムラ旗艦店新宿 北村写真機店とは
国内外問わず数多くのフィルムカメラ・デジタルカメラを取り扱っており、特にライカを中心とした中古カメラは国内でもトップクラスの品揃えを誇りながらも、ジャンクカメラや使い切りカメラの販売もあり「カメラを愛するすべての人」がたのしめます。