KIZUNA 2026 / 03 / 04
U-30界隈 写真のホンネ

episode.04-1

【機材編 前半号】カメラを始めたきっかけと最初の一台

世間は「Z世代のSNS利用」「若者の平成ブーム」といった情報で溢れていますが、実際の20代はSNS離れが加速していたり、平成ブームが一部で賑わっていたりと、一般認識とは異なるかもしれません。そんな20代の実像に迫る本連載は、「20代のホンネ」を知り、理解を深めることを目的として企画されました。

今回は、カメラを愛用している3名の方にお集まりいただきました。ミニマリストが多いといわれ、「モノを持たない」世代と思われがちなZ世代のホンネを探るべく、カメラ機材を持つみなさまに「カメラを始めたきっかけ」と「最初の一台」についてうかがいます。

PROFILE

中岡 瑛さん(人物画像)

中岡 瑛 さん

AKIRA NAKAOKA

キタムラ マーケティング部

独学で写真を始めて4〜5年。現在は趣味としてカメラを楽しみながら、ときどきカメラマンとしての活動も行っている。

豊田 航平 さん(人物画像)

豊田 航平 さん

KOHEI TOYOTA

カメラのキタムラ 新宿 北村写真機店

大学で写真表現を専門的に学び、フィルムからデジタル中判まで幅広い機材に触れてきた。カメラそのものよりも「表現を支える相棒」を探すことをテーマに、これまで総額2,000万円相当の機材を購入・使用してきたという。

畑中 優太 さん(人物画像)

畑中 優太 さん

YUTA HATANAKA

ラボ生産 企画本部

日本写真芸術専門学校卒業。学生時代から機材を売り買いしながら自分に合う一台を探し、現在はキャノンはEOS R5 mark ⅡとEOS R6 mark Ⅱを中心に、ニコンZfcなども使い分けている。

まずは、みなさんがカメラを始めたきっかけから教えてください。

中岡:私の父はカメラ好きで、家には少し古いカメラが23台あったと思います。幼いときからカメラに触れる機会が多く、身近な存在でよく写真を撮っていました。大学生になってから旅行や留学など外に出る機会が増え、その時々の人や風景を、良い画質で残したいと思ったのが、カメラを始めたきっかけです。

豊田:身近な存在にカメラ好きがいたというのは大きいですよね。
私は幼少期に父の仕事の関係でドイツに住んでいた際に、父のカメラを借りて景色を撮影したのがきっかけです。
父が「せっかくドイツに住むんだから、軽くて持ち運びしやすいカメラを買おう」といって、オリンパスのE-PL1sを買いました。当時は一眼レフが主流で、ボディもレンズもそれなりに大きさがありました。一方でマイクロフォーサーズは数少ないミラーレスの選択肢で、持ち運びやすいモデルが多かったんです。E-PL1sも小さくて軽いカメラでしたが、それでも父は重たいと言ってあまり使わなくなり、逆に私がそこから夢中になって、行く先々で自分の見た景色を撮っていました。
自分の目線がそのまま枠の中に収まって記録として残ることに感動し、「思い出を形として残したい」という気持ちが芽生えたのだと思います。

畑中:うちも父がカメラ好きで、家にカメラがたくさんありました。生まれた頃はまだフィルムの時代だったので最初に何を使ったかは覚えていませんが、父が使っているのを見たり、触らせてもらったりしていました。そこが原点です。
勉強や運動はあまり得意ではなかったのですが、写真を撮ると親に褒められて、それが嬉しくてたくさん撮るようになったので、明確に「いつ始めた」というよりは、気づいたら生活の中にカメラがあったという感覚です。
現像に出して、出来上がった写真を見る体験も物心ついた頃からありました。

そうした原体験を経て、幼少期からカメラが身近にあった中で、「これは自分のカメラだ」と言える最初の一台は何を選びましたか?また、どうしてそのカメラを選んだのでしょうか。

中岡:私は大学生のころに、初めてカメラを購入しました。購入したのは、オリンパスのOM-D E-M10 Mark IIIです。
選んだ理由は……強いて言うなら見た目ですね(笑)。当時は正直ほとんど知識がなくて、大阪の難波にあるカメラのキタムラに行き、エントリーモデルの中から予算内で選んでもらった記憶があります。

豊田:見た目の可愛さとか、直感で選ぶということもありますよね。
私が自分で初めて購入したのは高校生のときです。ニュージーランドの高校に通っていて、日本では見られない雄大な景色を目にする中で、「もしかしたらもう二度と来ない国かもしれない」と思い、その景色を残すためにソニーα7 IIIを購入しました。
中級者向けと上級者向けの間くらいのフルサイズミラーレスで、バッテリー持ちが良く、動画性能も高く、オートフォーカスも非常に速い。コストパフォーマンスの高さも決め手でした。

畑中:α7 IIIですか、良いカメラですけど、金額的にも思い切った選択でしたね。
僕の初カメラは、大学院に進学するタイミングで購入したキヤノンEOS 7D Mark IIです。EOS 7D Mark IIはAPS-Cセンサー搭載で、キヤノンの中では中級機クラスにあたるモデルです。新品は当時20万円前後でしたが、発売からだいぶ時間がたっていて10万円ぐらいの価格だったので、なんとか手が届きました。父がキヤノンのカメラを持っていてレンズ資産があったので、それを活用できる点もキヤノンを選んだ大きな理由ですね。

大きな金額が飛び交い、ちょっと驚きました。やはりカメラは安い買い物ではありませんね。最初の一台を購入するとき、不安や迷いはありましたか?

畑中:自分の最初の1台は、親がお年玉を預かっておいてくれていて、「そのお金で買っていいよ」と言われたタイミングで購入しました。
一応自分のお金ではあったのですが、身銭を切っている感覚はあまりありませんでした(笑)。ちょうど欲しいカメラが10万ぐらいで購入できたので、運がよかったと思います。20万、30万円だったら不安なく購入するのは難しかったと思います。あとは、親がカメラに理解があったということも、自分の中では大きかったですね。

豊田:私は、最初のカメラのα7 IIIを買ったときは、ボディもレンズも中古で購入しました。ボディが16万円ほどで、レンズは24-105 mmのGレンズと、55mm F1.8のカールツァイスのソニー製レンズ。全部合わせておそらく30万円くらいです。
正直、高校生の財布事情で考えるとかなり高い金額でしたが、当時はニュージーランドの高校に通っていて、2ヶ月あった夏休みに日本に一時帰国し、ひたすらアルバイトをして90万円ほど貯めたので、すごく高いという感覚はありませんでした。少し金銭感覚が麻痺していましたね。
「思い出を残す手段は、自分のお金で買いたい」という気持ちもあり、また、α7 IIIは当時リセールバリューが高かったので、仮に他のカメラが欲しくなっても売ったらある程度戻ってくると考えると、実質的な負担はそこまで大きくないと判断しました。

中岡:そこまで考えたり準備したりして買うのはすごいですね。
私がカメラを購入したのはアメリカ留学の直前でした。
長期留学を前に、日本の観光地を巡る旅行をしました。その時はカメラが欲しいと思いながらも買わずに旅を続けていたのですが、京都の綺麗な景色を見たときに「この場面でカメラがあればきれいな写真が撮れたのに」と強く後悔したことがありました。
その経験が背中を押して「やっぱり買うべきだ」と思い、5万円を出して購入しました。

そのとき購入したカメラについて、「このカメラにしてよかった」と思ったことがあれば教えてください。

中岡:一番良かったのは、写真の撮り方の練習になったことです。
当時は何もわからない状態からのスタートで、センサーサイズの違いや特徴も含めて、すべて独学でした。
マイクロフォーサーズで、決して万能なカメラではなかったからこそ、限られた中でどう撮るかを考えるきっかけになりました。YouTubeを見たり、実際に撮影したりしながら学びました。仕事として撮影ができるようになれたのは、このカメラのおかげだと思っています。それと、やっぱり見た目です。テンションが上がるかどうかは大事で、「かわいい」と思えたことが大きかったですね。

畑中:好きになれるかどうかは大事ですよね。
キヤノンのカメラは、7D Mark IIあたりより上位のモデルになると操作体系がほぼ共通です。
今使っているカメラも基本的な操作はだいたい同じなので、機材が変わってもすぐに使える。
設定や操作でストレスを感じることがなく、カードも2枚挿せますし、雨の中でも問題なく使える。そういった信頼感がありました。キヤノンのほかのモデルも安心して使えるというのは大きくて、結果的に撮ること自体が楽しかったですね。


それぞれの原点にあるのは、「身近な存在としてのカメラ」と「残したいと思った瞬間」。
最初の一台は、性能や価格だけでなく、そのときの想いや環境と深く結びついていました。
次回は、そんな皆さんの現在の機材と撮影スタイルに迫ります。

「次回は【U-30界隈 写真のホンネ】機材編 後編」です。お楽しみに!

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